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・男性・女性で就職に有利・不利はありますか?
・女性ですが将来診療放射線技師になってからのX線被ばくが心配です。
・就職活動について教えてください.
・専門技師とは、どういう資格ですか?
・医学物理士とは、なんですか?
・最近、全国的に診療放射線技師の求人数が減っていると聞きましたが、今後の就職状況は厳しいのでしょうか?
・キャンパスガイドに載っている就職率は100%ではないのですが、就職に問題はないのでしょうか?
・今後AI化が進み、診療放射線技師の仕事は消滅しませんか?
男性・女性で就職に有利・不利はありますか? NEW
現在、乳房撮影を行っているほとんどの施設では、女性の診療放射線技師が撮影を行っています。また、女性は結婚・出産・子育てを機に、退職される方もいます。そのため、病院では女性の人数を一定数確保しておく傾向にあります。しかし、女性ばかりの現場では、男性診療放射線技師の力仕事の負担が大きくなる場合もあります。また、当直業務などは男性診療放射線技師に限っている施設も少なからずあり、男性の比率を多めにしている場合もあります。そのため、全国的な就職試験の傾向としては性別によって不利・有利というものはありません。
女性ですが将来診療放射線技師になってからのX線被ばくが心配です。 NEW
診療放射線技師は,放射線を取り扱うエキスパートです.学生時代から被ばくの影響や管理について学び、十分な知識を持ったうえで、業務において被ばくの管理をしっかりと行っているため安心で安全な職業です.男性でも女性でも放射線の被ばくに対する心配はいりません.
その根拠について,少しご説明します.
放射線の被ばくには,「医療被ばく」と「職業被ばく」があります.医療被ばくとは,患者さんや集団検診の方々診断や治療のため,あるいは健診のために受ける被ばくです.職業被ばくは,診療放射線技師など放射線業務従事者が業務上受ける被ばくになります.実は,患者さんが受ける医療被ばくには,線量限度が定められていません.なぜなら,その制限によって,患者さんの受ける利益が損なわれる可能性が生じるからです.一方,診療放射線技師などの職業被ばくには法律で定められている線量限度があります.1年に50
mSv(ミリシーベルト)以下,かつ5年間で100mSvを超えてはいけないとされています.女性に対しては,さらに厳しい線量限度が設定されており,3か月で5mSvに設定されています.また,妊娠を申告した場合には,申し出から出産までの間で1mSvに設定されています.放射線被ばくに対して,十分な配慮がなされているのです.
就職活動について教えてください. NEW
4年生の4月から卒業までの期間、卒業見込みという身分で就職活動は可能です。しかし、就職試験で合格した(内定)あとに卒業ができなかったり、国家試験に落ちたりした場合、就職先の病院から内定が取り消され、その病院は予定していた人員が確保できず業務に支障が出ます。そのため、4年次に行われる国家試験を模した試験(実力試験、実力判定試験、外部模擬試験、卒業試験)で学科が定めた基準点に満たない点数の学生は、就職活動の制限を設けています。(就職活動はできません。)もし、病院業務に支障をきたすなどの迷惑をかけた場合、本人の内定が取り消されるだけなく、学科自体の信用を失い、次年度以降の募集が学科に届かないことにもなります。つまり、下級生が4年生になったときに、どんなにその病院へ就職を希望していても、募集が届かないため就職できないことになります。また、募集が届かなくて、ネット情報を通じ募集を知り応募してとしても、内定を取ることができません。学科は病院への迷惑をかけない事、下の学年の学生の就職先を減らさないことを重視し、卒業や国家試験があぶない学生の就職活動が止まることを覚えておいてください。
専門技師とは、どういう資格ですか?
診療放射線技師の国家資格所持者のうち、ある分野に高い専門性を持つ診療放射線技師を、診療実績(その分野での経験年数、技師取得後年数等)・研修実績と試験による評価をおこない、合格者に対して専門放射線技師として認定するものです。
この認定は、(公社)日本診療放射線技師会・(公社)日本放射線技術学会・その分野の関連学会が設立した団体が、その分野の専門性を統一的に評価するものであり、 専門領域における十分な知識・経験を持ち、患者から信頼される標準的な技術を提供できる診療放射線技師であることを示すものです。
しかし、この資格は、一定の期間ごとに更新を必要とし、更新のための条件(団体が定める基準)があるため、資格取得後も努力し続ける必要があります。
専門技師には、X線CT認定技師、血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師、検診マンモグラフィ撮影診療放射線技師、核医学専門技師、放射線治療専門放射線技師、磁気共鳴(MR)専門技術者、救急撮影認定技師、血管診療技師(CVT)などがあります。
医学物理士とは、なんですか?
医学物理士とは、放射線医学における物理的および技術的課題の解決に先導的役割を担う者で、認定機構が実施する医学物理士認定試験および認定審査に合格した者です。物理学に関連する科学的知識を医療の分野に応用する職業です。医学物理士の業務には、①医療、②研究開発、③教育があります。
放射線治療物理学分野では、放射線治療における装置開発、放射線治療計画の最適化と検証などを行っています。
放射線診断物理学分野では、画像診断装置の開発、画質向上、被ばく線量と画質の管理などを行います。
核医学物理学分野では、装置の開発、画質向上、被ばく線量と画質の管理などを行います。
放射線防護・安全管理学分野では、放射線の害を最小限に抑えます。
医学物理士認定試験受験資格、認定審査資格を得るためには大学院での医学物理教育プログラムを修了し、一定期間の臨床研修を受ける必要があります。
最近、全国的に診療放射線技師の求人数が減っていると聞きましたが、今後の就職状況は厳しいのでしょうか?
たしかに、全国的に診療放射線技師の求人数は減る傾向にあります。しかし、毎年300以上の施設から求人がきています。それは、中四国において、40年の歴史がある川﨑ブランドの診療放射線技師への信頼が厚いからです。
キャンパスガイドに載っている就職率は100%ではないのですが、就職に問題はないのでしょうか?
診療放射線技術学科の方針で、卒業が危ういと判断した学生には、卒業試験も国家試験も終え、無事に国家試験に合格するまで就職試験を控えさせています。なぜなら、もし就職が決まった後に、国家試験に落ちるような事態になった場合、病院に迷惑をかけるからです。また、病院に迷惑をかけた場合、次年度以降の学生への求人数が減る可能性もあります。これらの理由から、残念ながら、3月末の国家試験の合格発表後に就職活動を開始する学生が、毎年数名居ります。しかし、4月は求人が一番少ない時期である上に、学生は少しでも条件のいい病院を求めるため、毎年就職率が100%になるのは9月以降となります。ところが、キャンパスガイドに載る就職率は、編集の関係上4月30日での就職率となるため、100%ではなくなるのです。卒業が危うい学生でなければ、3月末までに確実に就職できるとお約束できます。
今後AI化が進み、診療放射線技師の仕事は消滅しませんか?
AI(人工知能)によって、ヒューマン・インターフェース(人とコンピュータがつながる部分)であいまいな判断が可能となったり、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション:決まりきった作業の自動化)が進んだりすることで、撮影および検査作業や放射線治療作業をコンピュータが実現していくと思います。
しかし、見過ごされがちですが、放射線技師はただ検査や、治療を行っているわけではありません。患者さんの状態を見極め、安全に配慮し、不安を取り除くといった精神的なフォローをしながら、その患者さんの状態に対応した医療行為を選択しています。近年医療ではQOL(医療の質)が重視され、ただ検査や治療をすればいいというわけではありません。患者さんへの接遇(対応)、手技の選択は診療放射線技師の技量にも関係してきます。検診といった健常者を対象にした仕事の範囲ではAI化が進むかもしれませんが、例外的な症状や解剖構造をもつ患者さんや、精神的なダメージの強い患者さんへの複雑な対応はAIでは不可能です。
また、医療の進歩により、医療技術はさらに複雑になり、医師の仕事の役割を担う傾向(タスク・シフト)もあり、診療放射線技師に求められるニーズは高まっており、AIが完全に置き換わることはないと考えます